重度食物アレルギーがあるEmilyの娘は、年中児から経口免疫療法を始めることにしました。この記事では、牛乳の経口免疫療法を始めるにあたり食物負荷試験をしたことと、その後の治療方針、経過について時系列でまとめました。
治療をはじめるにあたり、主治医から受けた説明などはひとつ前の記事に書きました。
導入に先がけて入院による食物負荷試験を実施
まずは卵ではなく、牛乳から経口免疫療法を始めることにしました。導入に先がけて、食物負荷試験によって「安全な量」「症状が出始める量」「これ以上は危険な量」を把握します。
この当時、日常生活としては卵も乳も完全除去であったため、食事にパンを出すことが出来ていませんでした。食のバリエーションが増えるといいなと思っていたため、医師に相談して食パンを使ってやってみることにしました。
利用した食パンは、Pascoの「超熟」です。こちらは、問い合わせたのですが調合は企業秘密、ということで正確な乳成分の量は分かりませんでした。他のメーカーの食パンは卵を使っていたり、バターたっぷりで初回の負荷には向いていないと思いました。
そのため、病院の管理栄養士さんが一般的な食パンに含まれるたんぱく量から超熟に含まれる乳成分の量を予測してくれる、というやり方で負荷試験は行われました。
結果は、超熟6枚切りを2枚完食。その間、小さいじんましんが首すじにひとつ出来ましたが、それは自然に消えました。そのため、負荷試験の結果としては、「超熟では陰性」ということでした。
負荷試験の結果から自宅での負荷量を決める
超熟での負荷試験の結果から、概算で摂取量を計算し、それをもとに自宅で摂取できる「乳たんぱく量」を決定しました。先にそれを実施した結果をお話ししますと、次項で詳しく説明しますが、アナフィラキシーを起こし病院に搬送しました。
これにはいろいろな原因がありました。やはり概算で出した量ではアバウトで、娘の状態には厳密な管理が必要であったことや、「ちょっと食べられるのかも!」と私の気持ちが浮ついたことで注意を怠ってしまったことなどが原因でした。
今思うと、娘には苦しい思いや怖い思いをさせてしまって申し訳なく思います。
乳加工品を摂取してみるもアナフィラキシーを起こす
日ごろから「アナフィラキシー怖い」と思いながら生きてきた中、食パンが2枚も食べられたというのはものすごく嬉しいことでした。
だからと言って管理を怠って良いわけではないのですが、このくらいの量は食べられるのかな? という感じでマーガリンを使った結果、アナフィラキシーを起こしてしまいました。
マーガリンには植物性脂肪が含まれていて、本当のバターよりも薄まっているだろうと安易に考えてしまったのです。
当時はきちんと認識できていなかったのですが、これには「カゼインNa」という乳化剤が含まれていました。カゼインは乳たんぱく質の一種で、熱によって変性しにくいもので加熱してもアレルゲンは減少しません。
おそらく想定以上の乳たんぱく質量が含まれていたのだと思います。かわいそうなことをしてしまいました。
注射器で計量し厳密な管理を行う
マーガリンのことがあってから、主治医と、やはり厳密な管理と評価が必要であるということを再確認しました。
ツベルクリン反応用の細い注射器を使って、牛乳0.1mlから開始しました。うちは病院の院内薬局で買わせてもらっています。Amazonで買うこともできます。
この時、毎日摂取が理想だけれども出来ない時は無理をしなくても良いという方針で始めました。
そのため、1回飲んでは数日あけ、を繰り返しましたがどうも摂取するたびに症状が出る。そして0.05mlに減量してみても出る。
0.05mlという少なさでもダメなのか……とがっかりし、毎回症状が出るため緊張の度合いがすごくて私の方が嫌になってしまいました。
そして、受診の予約日までは何もできないまま主治医と相談しました。超熟を食べた時は症状が出なかったから、それを毎日食べたあとから生の牛乳の摂取を始めたい、と希望しそのように行うことに決まりました。
ここまでかなりの時間がかかっています。超熟を食べてみる負荷試験が年末、マーガリンでアナフィラキシーを起こし、2月後半から花粉症のシーズンに入って調子を崩しました。
その後、超熟を毎日食べ、生の牛乳0.05mlを毎日摂取開始したのは4月のことでした。
この間に、数日あけると必ず症状が出てしまうということが分かっていたので、牛乳0.05mlを始める時には毎日摂取することを主治医と確認して行うようにしました。
「牛乳の治療をしよう」と決めてから軌道に乗るまで、4か月がかかりました。
その後は毎日摂取を続けます。詳しいお話はまた次回。
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