看護師の介護系単発派遣で最も多い医療行為は、内服管理・与薬と軟膏塗布だと思います。
利用者さんは自宅で生活している方がほとんどなので、難しい処置はあまりありません。
つまり、これらの処置を正しく行うことが出来れば、介護系単発派遣での看護業務の半分はクリアできるはず。
特養などの入所施設とデイサービスでは少し状況は違いますが、「介護系での与薬についての考え方」としてお話したいと思います。
その日いきなり行って知らない薬を与薬するの怖くない?
急性期の病院勤めをしている方・したことがある方は、「今から与薬する薬は何でどんな作用があるか、与薬してOKな状態か」をアセスメント出来ていない状態で与薬するのは怖い、と思うことでしょう。
それは看護師として正しい反応だと思います。
ですが、単発派遣として仕事に行くと、施設によりますが1日にだいたい10名くらいは内服薬を与薬し、入浴時に軟膏塗布する業務があります。
その初めてお会いした10~20名の方の身体状況をすべて把握してアセスメントし、与薬OKか判断することはかなり難しいことだと思います。
では、どう考えると良いか?
まず、介護系施設の利用者さんは、今すぐ命の危険がせまっているような急性期の状態ではなく、多少の痛みや高齢ゆえの不快症状があったとしても、慢性期にある方がほとんどです。
つまり、毎回の内服時に今内服が必要か?を判断するのではなく、正しい内服を継続し現状を維持することが最も大切な段階の方が対象となります。
そのため、医師の指示通りに与薬ができれば、まずはOKです。
安定している人が多いから、「指示通り」与薬出来れば基本的にOK
慢性期の方の与薬は、基本的に「指示通り正しく」与薬することが大切です。
というのも、自宅や介護施設で過ごすことが出来るような慢性期の方は、体調の乱高下はあまりありません。
その時1回の与薬で体調を管理するというよりも、1日・1週間・1か月と長い期間の中での体調を把握し、定期的に・もしくは必要時に受診することが大切になります。
看護師の介護系単発派遣では、その日行ってすぐに業務に入ることができるように、与薬が必要な方のリストを作成している施設が多いので、そのリストの通りに与薬します。
指示通り与薬するための注意点は、次の通りです。
- 与薬が必要な方のリストを確認
- 指示されている薬を持参できているか確認
- 持参忘れがある場合はスタッフからご家族へ連絡してもらい確認
- 例)昼食後薬→朝食後薬を持ってきた、など間違えていないか
- 薬の名前と持参した内服薬の数が合っているか確認
- 「食前薬」「昼食後薬」「16時内服」など時間を確認
- 本人・スタッフに名前を確認し、人を間違えないように注意
- よく聞こえてないのに「ハイ」と返事する方もいる
- 名前を指さしして見てもらう・名札見る・スタッフに聞くなど確実な方法を
- フルネームで確認を
与薬を行うための基本的な注意事項ばかりですが、初めての現場という慣れない環境と、利用者さんが高齢ゆえの勘違い等の特徴によって、間違いは起こりやすい環境と言えます。
急変時は臨機応変に判断を
指示通り正しく与薬することは大切ですが、体調に変化がある場合は別です。
高齢のため、ちょっとしたことで体調を崩される方は多く、バイタルサインの変化や嘔吐・下痢、誤嚥したりもよくあります。
そのように何か体調に変化があった場合には、「指示通り与薬して良いか」のアセスメントは必要になりますので、その際は臨機応変な判断が求められます。
持参薬の確認は必須、持参間違いはある
特養のような入所施設だと、施設に往診→処方薬は看護師管理、となるので間違いはないことが多いと思います。
ですが、デイサービスでは来所の準備をするのがご本人かご家族です。
お薬も忘れて来たり、昼食後薬が必要なのに朝のお薬を持って来たり、そういったうっかりミスは日常茶飯事です。
ご本人だけでなく介助しているご家族も高齢なことも多いので、注意して確認することが必要です。
まとめ
介護系単発派遣では、医療行為は少ないもののゼロではありません。
特に内服・軟膏塗布は介護系ではメインの医療処置となりますので、その点では注意が必要です。
基本的なアセスメントは行いつつ、その施設のやり方に合わせて効率的に業務を回すことも大切になります。
慣れると初めての施設でもスムーズに業務に入れるようになりますし、看護師の単発派遣先としてはライフワークバランスも取りやすく、介護系はおすすめの案件です。
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