デイサービスの看護業務ってどんな感じ?1日の流れ~派遣看護師の働き方①

看護師

病院以外で看護師として働こうとすると、介護系を検討する方は多いと思います。

見学に行くとイメージしやすいのでいちばん良いですが、それにも手間と時間が必要ですし、その前にどんな感じか少し把握しておきたいと思うこともあるのではないでしょうか。

この記事では、複数の介護施設で看護師として働いた経験のある私が、デイサービスについて知っていることをまとめました。

常勤、パート、派遣とさまざまな働き方がありますが、転職の際の参考になれば幸いです。

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デイサービスの1日の流れ

  • 8:30~ 来所
  • 9:30 朝の会
  • 10:00 入浴、リハビリ、自由活動
  • 12:00 昼食、口腔ケア(歯みがき)
  • 13:00 休憩
  • 14:00 午後のレクリエーション、入浴、リハビリ
  • 15:00 おやつ・お茶
  • 16:00 帰りの会
  • 16:30~ 退所

事業所によって多少の前後はあるかと思いますが、どこのデイサービスも、だいたいこのような様子で1日を過ごします。

送迎はワンボックスカーで数回に分けて行われることが多いので、全員同じ時間に来所・退所はできません。

利用者さんはデイサービスに来た時間から、7~8時間滞在します。(短い場合もあります)

看護師は、利用者さんが来た順に検温を行い、その日の活動が可能かどうか健康状態を判断します。

入浴やリハビリの予定が早い方から優先して行うと、業務がスムーズにまわります。

全員の健康チェックが終わったら、記録しつつ処置を行います。

入浴後に軟膏を塗布したり、傷の処置、時間が決められている点眼や内服・注射などがあります。

昼食の時間は、食べる前に「口腔体操」を行うことが多いです。唾液の分泌を促し、食事をスムーズに嚥下できるようにするための体操です。

舌やあごを動かし、声を出して顔の体操をします。動画を見て一緒にやる場合と、スタッフ主導で行う場合があります。看護師が行うかどうかは事業所によります。

食前薬を与薬し、必要な場合は食事介助をします。摂食により体調に変化のある方はいないか、全員の様子を観察しながら行います。

食後は昼食後薬を与薬し、歯みがきやトイレなどの介助をします。

食休みのあと、午後からは30分ほどレクリエーションがあります。並行して、午後に入浴やリハビリの予定がある方の処置等を行います。

15:00にはおやつタイムで、午後の記録をまとめます。

1日を通して、合間の時間で爪切りなど必要なケアも行います。運動機能評価を看護師が行う場合もあります。

ちなみにですが、私は9:00~15:00のパート勤務をしています。

朝イチから帰りまで全部勤務する場合と、忙しい時間だけ勤務する場合と、事業所によって違います。

このあたりの融通がきくところが、デイサービスの働きやすさだと思います。

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介護業務をするかどうかは事業所による

1日の流れの中で、トイレ介助や入浴介助などの介護業務を行うかどうかは、その事業所のやり方によります。

私としては、看護師にしかできない業務で手一杯でない限りは、介護施設で働く以上、介護業務も行うべきだと考えています。

ただ、「分業」をしっかりしたいという方は、看護師がどの程度介護業務にも携わるか、入職前によく確認するとよいと思います。いろんなやり方の事業所があります。

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処置や与薬は養護施設に比べ少ないことが多い

デイサービスは、自宅で生活をしつつ通ってくる方がほとんどです。(一部、養護施設から通われる方もいます)

何かしら処置の必要な方は、自宅でご本人またはご家族が行っています。

大変すぎる処置だと、ご本人とご家族の生活が立ち行かなくなってしまうと困るので、普通は退院する際に調整しています。

そのため経管栄養の方は少なく、注射類はあってもインスリン注射くらいで、その他はストマや気管切開、酸素療法の方がたまにいるくらいです。

基本的にデイサービスは自宅の延長であって医療機関ではないので、いつも行っている医療的ケアをご本人・ご家族の代わりに行う程度になります。

これらの処置は、だいたい3年くらい病棟で勤務した経験があると、出来る方が多いと思います。

処置関係は正直なところ「いつも通り」行えば特に問題はなく、看護師として基礎的な技術があれば心配はありません。

それよりもデイサービスでいちばん大切な看護師としての役割は、健康状態の観察と判断・応急処置になります。

デイサービスで大切な看護師の役割は「健康状態の観察と判断・応急処置」

高齢の方ばかり集まっている場なので、さっきまで元気だった方が急に具合が悪くなるということはよくあります。

経過観察でよいのか、ご家族・ケアマネさんに連絡すべきか、すぐに受診が必要なのか、今必要なケアは何か、これらのことを医療者として判断する場面があります。

その際、身体状況だけでなく、介護スタッフからの情報も含めご自宅・ご家族の状況を把握し、その人に合った方法をアセスメントし選択しなければなりません。

看護師がひとりだからと言って全部を自分で抱えることはありませんが、スタッフへの指示は必要になります。

これらのことを確実に行うためにも、処置が少ないからと言って経験の浅い方がデイサービスで勤務することはおすすめできません。

先ほども書きましたが、だいたい3年くらい病棟で勤務経験のある方が安心して働けると思います。

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まとめ

派遣看護師になろうと考えた時、勤務場所のひとつとしてデイサービスは候補にあがることがあると思います。

私は、医療現場と自宅をつなぐ場所であるデイサービスで、看護師としての知識と経験を活かして少しでも自宅での生活を楽しんでもらえるようケアできたらいいなと思っています。

病院勤務時代の、看護師としての業務の大半であった医療処置がほとんどないことは、私にとっては問題ありませんでした。

日々変わらないことが最高の結果であり、自宅で安心して過ごせるように介入するためにはアセスメントが命で、頭の中は常にフル回転しているくらいです。

利用者さんの老後の穏やかな時間を共有させて頂けることが、私にとっても喜びであります。

この記事が転職を考える看護師さんのお役に立てたら幸いです。

≫ 介護系単発派遣での与薬についての考え方・注意点~派遣看護師の働き方②

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