本格的に冬が近づいてきた今日この頃、風邪をひいたり胃腸炎にかかる人が増えてきましたね。
感染症にかかると、咳やくしゃみ、時には嘔吐することも。特に子供が感染症にかかると、毎年必ず一家全滅する! なんて人もいるのではないでしょうか。
ところが、私は一家全滅を経験したことがありません。我が家が感染症に強いのかというと、そうとは言えません。毎年、子供のうち一人はインフルエンザなど高熱を出すような感染症にかかります。
管理人Emilyは看護師なのですが、考えてみると、家庭の中でも“菌の扱い”にはうるさいのです(笑)
これがおそらく家庭内で感染症が発生した時に一家全滅を防ぐことが出来ている根拠だと思います! でも、私がやっていることは病院じゃないとできないことはひとつもありません。全て家庭の中でできることです。
この記事では、看護師の私が感染症で一家全滅しないために普段から気をつけていることをまとめました。
医師や看護師はなぜ患者さんから菌やウイルスをもらわないのか
これ、不思議に思う方は意外に多いのではないでしょうか。医師や看護師は、風邪をひいたりするイメージがあまりありませんよね。
これは、半分正解、半分不正解です。医師や看護師も、時に風邪などの感染症にかかることはあります。でも、疲れていた・寒かったなどで自発的に風邪をひくことが多いかも知れません。
半分不正解なのは、「患者さんから菌やウイルスをうつされることがほとんどないから」。
入院したり外来に受診しに来られる患者さんから、いちいち菌やウイルスをもらっていては健康を害してしまいますし、仕事になりません。
では、なぜ菌やウイルスをうつされることがほとんどないのか? 病院だから特別な予防法があるのでは?
いいえ、そうではありません。なぜなら医師や看護師は、菌やウイルスを「取り込まない」「やっつける」ことができているから。
次の項では、Emilyが看護師として実践してきたやり方で、家庭内で一家全滅を防ぐ時の具体的な方法をお伝えします。
看護師Emilyが家庭内で実践している【感染症を防ぐ方法9点】
先にお伝えしておきますが、まず、ここに書かれている方法は全て実践できるとは限らないと思います。特に小さい子供の場合、風邪をひいたりしている時はぐずったり機嫌が悪かったりしていつも通りお世話できないなんてことはしばしば。
すでに気をつけて行っている方法もそれぞれの家庭であると思います。出来そうなことをそこにちょっとプラスしてやってみようかな、くらいの気持ちで読んで下さいね。
我が家の娘たちは、アレルギーなどで“病気慣れ”している側面があるので、体調の悪い時もほとんどの場合落ち着いて過ごすことができます。むしろ、普段がうるさすぎるので、そういう時は言うことを聞く良い子になったり……(笑)
そういう背景があって実践できることも、内容には含まれています。ですから、ご家庭の様子に合わせて、出来ることを参考にして頂けると幸いです。
その1・嘔吐物を正しい方法で処理する
子供は、どこでも吐いてしまうことはよくあります。通常の風邪ウイルスや雑菌の場合は乾燥させると死滅するのですが、ノロウイルスの場合は乾燥に強く乾いても死なないため、完全に消毒してやっつけなければいけません。
しかし、「嘔吐した」という症状だけではノロウイルスかそうでない菌かは区別がつきません。ですから、嘔吐した時は全てノロウイルスだと思って処理をする必要があります。
- 使い捨ての手袋をする
- 使い捨てのダスターやキッチンペーパーで拭き取る(洗って使う雑巾はダメ)
- “次亜塩素酸水”か“次亜塩素酸ナトリウム水”で消毒する
- ぐるぐるうずまきを描くように、内側に向かって嘔吐物を拭き取る
- 嘔吐物は残さず拭き取る
- 最後に新しいダスターで広めの範囲をもういちどぐるぐるうずまきで拭き取る(飛び散りの処理)
- 拭き取ったダスターはビニール袋で密閉、手袋も捨てる(袋から空気を絞り出すとウイルスも飛んできます!)
- 汚染した服は、嘔吐物を取り除いて漂白剤でつけおき除菌してから洗濯(酸素系OK)
その2・嘔吐、下痢がメインの場合、よく触る場所を時々消毒する
嘔吐や下痢の症状がある場合、使い捨ての手袋をして処理をしても、その後で必ず手洗いをする必要があります。
しかし、嘔吐や下痢の原因になる菌やウイルスは、口から入る経口感染が多いのは事実です。そのため、手洗いをよく行うのと同時に、ドアの取っ手や水道の蛇口などよく触る部分は消毒用スプレーを用いて拭き掃除をしておくと安心です。
そして、手洗いをする場所は水がはねやすく乾きにくいですよね。菌やウイルスは濡れているところが大好きで、そういう場所で繁殖して増えます。
こまめに水を拭き取って乾かすだけでも、感染予防には効果があります。消毒用スプレーで除菌する場合は、スプレーが乾く時に菌やウイルスが死滅するため、先に水を拭き取ってから消毒用スプレーを用いて拭き取るとより効果が上がります。
その3・咳やくしゃみを吸い込まない
子供が咳やくしゃみをくり返しするような様子が見られたら、すぐにマスクをします。これは、本人はもちろん、自分やきょうだいなど家族全員で行います。
まだ熱とか出てないし~と言って油断していると、咳やくしゃみによって飛んできた菌やウイルスが空気中に漂い、それを吸い込んでしまうことにつながります。
咳やくしゃみだけでなく、いつか吐くか分からない、という時にも有効です。嘔吐物は飛び散ることがあり、子供が治る前に自分がウイルスを吸い込んでしまうと一家全滅まっしぐらです。
もし子供が小さくて、マスクを嫌がったりするようであれば、本人以外の家族全員がしていれば大丈夫です。
子供が二人とも小さくて、二人ともマスクを嫌がったりするようであれば、感染は避けられないかも知れません。その時は、他の方法を頑張ったり、別々のお部屋で遊べるように工夫してみましょう。
その4・マスクはこまめに取り替える
予防のためにつけたマスクも、呼吸をしているうちに外側は菌やウイルスがだんだん付着してきます。目には見えませんが、呼吸のたびに少しずつ増えていると考えて良いと思います。
看病でマスクを使っている時は、一日一回と言わず、午前・午後・寝る前で取り替えるくらい用心しても良いと思います。
使い捨てマスクは、あまり高級でしっかりした物を長く使うのではなく、鼻のところがフィットするもので取り替えやすい値段のものを選び、こまめに取り替えると良いと思います。
使っているうちに、鼻のところに隙間が出来たり、フィット感が悪くなったりしたら遠慮なく交換して下さい。もちろん、汚染した時はすぐに取り替えます。
マスクの外側を触らないようにすることも一家全滅を防ぐためには大切です。手に菌やウイルスが付着してしまったら、その手から自分に感染することがあり得るからです。
その5・お世話したら手を洗う
基本的に医療者は、ひとりの患者さんに触れたら次の患者さんのケアをする前に手洗いをします。その理由は、患者さんから患者さんへ病気をうつさないようにするためでもありますし、自分に感染させないための予防策でもあります。
これは、家庭において看病する時にも大切なことです。看病した後は、必ず石けんを用いて手洗いを行って下さい。
例えば、鼻をティッシュでかんであげた後、ご飯のお世話をした後、歯磨きをした後、おむつやトイレに連れて行った後、とにかくお世話をしたら手洗いを行います。
感染が広まるのは、主に手から口へ、の経路が多いです。その感染ルートを断ち切るために、手洗いはかなり有効です。
その6・自分の顔にさわらないようにする
先ほどもお伝えしましたが、菌やウイルスに感染してしまうのは、手についたものが口から入ってしまうことが多いです。
それに加え、目や鼻から感染することもあります。目から感染すると聞くと意外かも知れませんが、顔の内側では目・鼻・口はつながっています。
子供のお世話をして手に菌やウイルスがついたまま、目をごしごしこすったりするのも感染のリスクが上がります。
お世話をしている時は、不用意に自分の顔に触らない方がよいでしょう。お世話をして手洗いをした後であれば問題ありません。
その7・子供と物理的に距離をとる
これは体調不良で機嫌が悪い時は難しいかも知れませんが、抱っこ抱っこで密着する時間が長いほど、感染のリスクは上がってしまうと思います。
泣いている子供に抱っこできないなんて言えないよ!という声が聞こえてきそうですが、そういう場合は是非マスクをつけて抱っこしてあげて下さい。そして、親子共にこまめに着替えをすることをおすすめします。
小さい子は、抱っこした人の服で鼻水を拭く、なんてことはよくありますよね。それをティッシュで拭き取っただけでそのままにしておくと、そこが感染源となり自分にうつってしまうリスクが上がります。
鼻水などで汚されたなぁと思った時は、子の様子が落ち着いたら自分の着替えをすると良いです。もちろん、嘔吐物がついた時は、拭き取った後すぐに着替えて下さいね。
その8・空気の入れ替えをする
忘れがちなのは、空気の入れ替えです。咳やくしゃみ、嘔吐などによって密閉された空間で菌やウイルスが増え続けると、それだけ感染のリスクが上がってしまいます。
午前・午後に一回ずつくらい、空気の入れ替えをするために窓を開けると良いです。冬は寒いので、寝ている子供には「寒いからしっかり布団をかけてね~」と声をかけ、10分ほど空気を入れ替えます。
雨の日など、窓が開けられない場合は、キッチンの換気扇を回すのも良いと思います。新しい空気を取り込んで、菌やウイルスを物理的にお部屋から追い出してしまいましょう。
その9・普段から子供の食べ残しは口にしない
これは、あきらかに「風邪をひいた」と分かる前から予防する、という意味です。子供は、ついさっきまでいつも通り元気だったのに、急に高熱が出た! なんてことはよくあります。
高熱などの症状が出なくても、風邪をひく時にはその前から菌やウイルスは体の中で増えている状態ですが、子供の様子が元気だと風邪をひいているとは全く気づけません。
そのため、私は普段から子供の残した食べ物はあまり食べないようにしています。特に下の子はまだ食べ方もへたっぴで、残した食べ物がよだれでべろんべろんということも。
もしインフルエンザの発症直前だとしたら、そういうものを食べた時点でアウトです。一家全滅コースです。
ですから、日ごろから子供が残さないで済むように、少な目に盛り付けておかわりOKにするよう工夫しています。あとは、もったいないと思わず、思い切って処分するようにもしています。
おまけ・あきらめて休めるように調整する
どれだけ注意していても、感染症にかかる時はあります。いつも注意するようにしていても、子供同士うつしあうとか、うっかり自分がうつされてしまうことだってあります。
そういう時のために、「ダメだったらあきらめる」の精神は意外と大切です。これだけ注意していても感染症にかかってしまったら、あきらめて仕事を休んだり、早く帰ってこれるように調整したり、家事も誰かに頼めるようにして子供と一緒に寝てしまいましょう。
また、日ごろから子供にも、病気の時はゆっくり休むことが大切と教えておくのも良いでしょう。Emilyの娘たちは、ここぞとばかりにYouTubeが見れる特別な日になっています。
熱があると長時間は見れないもので、テレビでYouTubeを見れるようにしておいたら、いつの間にか眠っていることもよくあります。
症状があるとご飯もどうせあまり食べなくなったりするので、とりあえずご飯を炊いて野菜のスープくらい作ったら、あとは自分ものんびりするようにしています。
まとめ・感染を防ぐには「取り込まない」「やっつける」!
感染を広めず一家全滅を防ぐための方法は、菌やウイルスを「取り込まない」「やっつける」ということになります。
いざという時にはすぐ使えるようにマスクや消毒用スプレーを常備したり、手洗いなどをこまめに行うと良いですね。
今年こそ子供の感染症からの一家全滅は予防しましょう!!
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